1975年(昭和50年)から1983年(昭和58年)まで、NHKにて放映された”大草原の小さな家”と言う番組をご存じだろうか?
自分と同じ世代の人ならば、懐かしく思われるかもしれない。
原作はローラ・インガルス・ワイルダーの”大きな森の小さな家”と言う、半自叙伝的小説シリーズであり、西部開拓時代の1870~1880年代を舞台にした、インガルス一家のドラマ。
頼もしく知的な父親チャールズを中心に、心優しい母親、大人びた長女メアリー、お転婆な次女ローラに、ライバルであるお嬢様のネリー等、時には喜び時には苦難を乗り越える、心温まるエピソードが綴られていく。
良きアメリカンファミリーの象徴として、今も語り継がれている。
このドラマの最終回をご存じだろうか?
season9(当初は”新・大草原の小さな家”)を終えたスペシャル版「最後の別れ」にて、劇中で長年住んでいた、小さな家のある町”ウォルナットグローブ”が、見ず知らずの地上げ屋に乗っ取られ、ローラ達が自分たちの築いてきた町を爆破してしまうお話。
お父さん役の”マイケル・ランドン”は、当初より出演だけではなく、脚本・演出・制作と、番組の中枢を担っていた。
この番組の制作舞台は、長年にわたり作り上げられ、街のセットも広がっていった。
視聴率の低下によって番組も打ち切りが決まり、この自分たちが作り上げてきた、セットを他の番組などで使われたくない、という想いからであった。
「私たちの土地と建物を盗むなんて許せない!」
劇中のローラの言葉であるが、そのまま”マイケル・ランドン”の胸中でもある。
その後”マイケル・ランドン”はすい臓癌との闘病に入り、7年後の1991年54歳の時に亡くなった。
葬儀には500人が参列し、その中には時の大統領ロナルド・レーガンも加わっていたという。
セットの爆破には、賛否両論あるようだが・・・
西部開拓時代のドラマに半生を掛けた、アメリカン・スピリッツ。
”マイケル・ランドン”はまさしく、現代の”開拓者”であった。
このブログは、旅物だと思われる方が多いのかもしれませんが、思い出して頂きたい!
実は・・・脱サラをして”とくし丸”をやることにした、新米”個人事業主”の奮戦記なのです。
と言うことで、愛媛にも来て準備も整った?ところで、ようやく”とくし丸”のお話を進めていきましょう。
ブログ上ではポンポン話が進んでいますが、愛媛のSスターで面談をしたのは3月初めの話。すでに1か月以上経ちます。
よく”Sスター”の人達が、信じてくれたものです。
海の者とも山の者とも知れぬ、見も知らない中年の男が突然仕事を辞めて、東京から”とくし丸”をやるために「愛媛に来ます!」の言葉。
面談以降は、顔も合わしていません・・・
一度4/1に・・・
「実は愛媛は遠いいので、止めます」
と電話で”エイプリルフール”を楽しもうかと思いましたが・・・
シャレにならんと思い、挨拶だけに留めました。
「4月から新卒の子らと、開拓を始めていくので、安心して引っ越ししてきてください。それに、仕事以外の事でも、何でも相談に乗るけん、いつでも電話してきてください。」
と”Sスター”のとくし丸担当の”Tさん”
面談の時にいた担当の方のうちの一人です。
非常に愛嬌のある方で、以降いろいろとサポートしてくれる頼れる方です。
愛媛に着いてまず初めに、切れ者の”S部長”さんと”Tさん”にご挨拶に行きました。
「信じてくれていて、ありがとうございました。ようやくこちらに来ましたので、これから頑張ります!」
と伝えました。
自分がぬくぬくと東京で引越しの準備をし、ぬくぬくとフェリーに乗ってやって来るまでに、色々と準備をしていてくれました。
なんでも開業は6/7(火)Sスターの7号車として進めているとの事。
すなわち”ラッキーセブン”と言うことです(7/7で無いのが、惜しい所)
これからの段取りとしては・・・
まずは車両の注文!
徳島にある”Mキュリー”と言う、福祉車両や移動販売車等の改造販売する会社で、特に”とくし丸”を生み出してくれる所です。
”とくし丸”仕様に改造するので、頼んでから日が掛かります。
電話でお願いをし、後日オプションの相談も・・・
まずはオプションもほぼすべて、注文しました。
運転席上部の”キャリー” 助手席に置ける”冷凍冷蔵庫” そして別っこに”カーナビ”(右も左も知らぬ場所なので・・・必ず必要になるはず!)
総額で・・・
ざっと380万円也!
退職金や財形や持株会等の、サラリーマンを辞めて手に入れた現金の約半分をつぎ込んだ形です・・・
少し惜しいか・・・?
とも思いましたが、個人事業で例えばコンビニをやるなりお店を出したなりを考えれば・・・
先行投資にしては、安い安い!
この投資が、今後の我が家の生活を支えていくわけです!
そしてこれからしなければいけない、重大な事・・・
それは”開拓”です!
”とくし丸”は普通の移動販売と違い、どこぞの広場でお客さんを待つのではなく、来て欲しいと思ってくれる各家に伺う販売です。
そのお宅を募るのが、最初の仕事です。
そしてこれこそが、この先開業して”成功”するのか?”失敗”するのか?
の分かれ道です!
先ほども話した通り”Sスター”の”Tさん”と新卒の子達で”開拓”を始めていてくれてます。
それを引き継ぎ、自分は町中と言うよりは、山間のお客様の”開拓”から始めました。
”Tさん”と共に車で行き、途中で車を停めて、二手になって1軒ずつ”開拓”していきます。
土地勘もなく、地名もわからず、概要しか知らない”とくし丸”のことを説明するのは、大変手こずりました。
ただそこで気付いたのは、そうそう買い物難民になっている人はいないよ。
と言う事。
車で走れば10分~30分くらいで買い物行けるし、家の方が代わりに買い物行ってくれるし、農家の方々は実に元気だ。
そもそも本当に困っていたら、今頃餓死してしまう。
そもそもついでに言わせてもらえば、自分は”買い物難民を救う”という言葉は好きになれない。
救うなんておこがましい。
買い物するのは楽しいものなのに、それが不便に感じて邪魔臭くなっている。食べたいものが、うまくお買い物できない。そんな方々に、買い物を楽しんでもらう手段を提供したい。それで報酬が得られるなら、販売冥利に尽きると言うものだ。
町中とは違い、山間部は1軒1軒の距離が長い。
急な山道も多いし、久しぶりの労働であるが故、足もパンパンになっていく・・・
けれども地域なのか国柄なのか、みなさん暖かく話を聞いてくれて、雑談で花を咲かせることもしばしば。
”Sスター”で移動販売をすると言うと・・・
「いっつもSスターで買い物しておるわい。あそこはいい商品が置いてあるんよ」
と好評です。
(紹介してくれた東京のBチップのHさんの目は確かでした)
そんなお客様に販売するために、こんなに眺めのいい場所に来れるなんて、人生観変わるかもね・・・と、一人景色を眺め、いい空気を思いっきり吸ってみたのでした。
つづく・・・
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