今昔物語 「シン・ゴジラ」編

 「シン・ゴジラ」・・・2016年 東宝
 脚本・編集・総監督 庵野秀明  監督・特技監督 樋口真嗣  准監督・特技総括 尾上克郎
 キャスト 長谷川博己 竹野内豊 石原さとみ

 4DXはアトラクションとしては、申し分ないものの、やはり映画ともなると落ち着いて見れません。単なる娯楽映画ならば良いかもしれませんが、今回の映画には良いのか?悪かったのか?それは見る人の、単なる娯楽映画だったか?考えさせられる映画だったか?によります。
 今回は後者のように感じました。
 前回のお約束通り、「シン・ゴジラ」のご紹介。4DX抜きの感想です。

シンゴジラ.jpg 今まで”ゴジラ映画”は自慢ではないけど、すべて見ています!と言ってもマニアでも何でもありません。どちらかというと、日本映画のゴジラシリーズ29作の、大半はあまり面白いとは思わず、見たことがあるだけの話です。
 ゴジラが”シェー”をやったり、ゴジラの子供が出来たり・・・違う種の怪獣達が連携をとってチームプレイで戦うものだろうか?おかしい!現実味がなさすぎる。
 しいて言えば、2000年制作「ゴジラ×メガギラス G消滅作戦」2001年制作「ゴジラ・モスラ・キングギドラ 大怪獣総攻撃」だろうか?
 そもそもゴジラが正義の怪獣ではないほうが、面白い。生きるために暴れ戦う!のほうが怪獣らしい。
 アメリカにゴジラをとられるぞ!
 その点で言うと、今回の「シン・ゴジラ」は怪獣らしい。
 総監督はエヴァンゲリオンの、庵野秀明。それらしい映画になっている。
 ゴジラ自体、第十九使徒?のような生物でした。第一形態がきもかわいい・・・
 ”ヤシオリ作戦”?”ヤシマ作戦”でしょ?音楽も同じ・・・
 随所にエヴァンゲリオン臭が、ぷんぷんです。世代がその世代なので、コラボっぽくて少しウキウキしましたが・・・
 最終決戦での、鉄道のオールスターは鉄男でなくても、一見です。(倒し方が、原始的ですが・・・)
 しかし良かった点は、実際にはそんなところではありません。
 奇しくも「誤報」の時にお話ししましたが、東京が壊滅状況になる。しかも20年ほど前まで住んでいた品川や、ゆかりある地、川崎がその被害に・・・
 そして東日本大震災時の日本政府そのものの展開。その当時のバックグラウンドでは、こんな会議が繰り広げられていたのだろうか?いやしていたに違いない!
 自衛隊にしても、妙にリアルに起動していくのが、内容に真実味を漂わせる。本当に東京では、こんな状況になっているのでは?と錯覚に陥ります。
 だらだら続いているエヴァよりも、こちらをメインにしてもよいのでは?庵野さん・・・
 キャストも充実!まるで昔のお正月映画のよう。
 総勢328人。エキストラのように、贅沢に使っている。前田敦子って、どこで出てきた?という感じ。
 ちなみにゴジラのCGに使っている元の動き。モーションキャプチャーによる動きの主は?(どうぞ調べてみて下さい。驚きますよ!)
 「スクラップ アンド ビルトで、この国は立ち上がってきた。今度も立ち直るだろう」
 竹野内豊のこのセルフ。実際の大震災では疑問だが、願いを込めてうなづきたい、いいセリフでした。

 「シン・ゴジラ」2016年東宝         85点

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