vol.116 恵方巻

 恵方巻・・・節分に恵方を向いて食べると縁起が良いとされている太巻寿司のこと。もともと大阪を中心とした地域で”丸かぶり寿司”として行われていた風習。
 ”恵方巻”と言う名称は、意外と新しく1998年。セブンイレブンが、広島にて試験販売した”丸かぶり寿司”に”恵方巻”と名付けて売り出し、2000年以降地域を拡大し急速に広まった。
 この恵方巻、関西の古くからの風習と思いきや、実はそうではない。
 明治後期か大正初期の頃、大阪の船場の旦那衆が、花街にて行っていた遊び。芸妓さん達と節分の時期(旧暦の正月)に恵方を向いて太巻きを食べて、縁起を担いでいた。
 そして1970年代、大阪海苔問屋協同組合により「節分の夜、恵方に向かって無言で、家族揃って巻き寿司を丸かぶりすると、必ず幸福が回ってくると昔から言い伝えられています」と宣伝し広まり、古くからの風習と勘違いされて恵方巻は食べられている。
 大阪商人の花街遊びは、商いの魂として今も生き続けている。


 本来はタイムリーに話題を乗せるのが、一番良いのでしょうが・・・特に時事物は鮮度が命。
 分かっていながら10日も過ぎてしまいましたが、今回は”恵方巻” ”節分”のお話です。(年末もどこに行ってしまったのか・・・?)
 来年のこの時期に、誰ぞが検索した時用と言う事で・・・

 とくし丸をやり始めて、何度かミッションを課して、”予約”や”別注”(東京では”客注”と言ってましたが)を呼び込もうとしました。
 ”うなぎ作戦”はやり始めにしては上出来。それに味を占め”飲料ケース作戦” ”鏡餅・お飾り作戦”等々・・・
 しかしながら、余りうまくはいきませんでした・・・特に年末は散々・・・
 と言う事で、年明けから”恵方巻”でリベンジ!
 まずはチラシを渡しまくり。とにかく全員に声を掛け、種を蒔いていきました。

 東京のスーパーでも、恵方巻は絶大で、寿司部門最大のメインイベント。それこそ年末商戦よりも忙しい日となります。
 東京でそうなのだから、西方の四国ならば、より浸透しているはず。

 最大の予約数を取ってやる!と期待を込めて意気込んでいました。

 そうこうしている内に、我が基幹店Sスターでも、節分の売り場がより派手に、よりダイナミックになって来ました。
 ん・・・ん!なんじゃこりゃ!
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 突然目に入ったのは、割りばしみたいなものに、先端に葉っぱがくくり付けられている、謎の物体。
 調べたところによると、こいつの名前は”鬼ぐい”
 鬼が好んで食べるものなのか?
 いえいえ、タラの木に柊(ヒイラギ)の葉を付けた物で、どちらもとげのある植物。”鬼杭”と書いて、鬼を杭で近寄らせないと言う風習らしいです。

 東京では、節分コーナーの横で”柊”そのものを売り ”鰯”も関連して売っていました。
 鬼が嫌いな物だから位に、深く考えずに販売していましたが・・・こんな感じで使うそうです。
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 すたれて来てはいるものの、”柊鰯”と言う名で、本州全般で行われているそうな。東京でも下町などの老舗では、それとなく玄関や勝手口に供えられています。
 
 愛媛ではそれと少しだけ違い、柊をそのまま使わず、もう一つタラの木をかまして使っています。販売価格は税込みで22円。バカ売れとは言えないまでも、地味に売れていました。
 とくし丸でも、個人様で3件ほど。施設で入居者さんの人数分、30本ほどが売れました。
 最近では、ほとんど風化していて”鬼ぐい”を行うご家庭もほとんど無いそうです。
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 こちらはその数少ないご家庭の”鬼ぐい”です。
 ”鬼ぐい”のみの家と、本来の使い方の鰯も付けた”鬼ぐい”です。

 そしてもう一つ気になったことは、”鬼うち豆”の事。
 東京では、大きく分けて2種類の豆をメインで販売していました。
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 鬼打ち専用の煎った大豆の”鬼打ち豆” 食べる専用の甘いので包まれた”福豆”
 東京のYマートでは、8:2くらいの割合で、その2種がメインとなって販売していました。
 今までの認識としては、そんなくくりで思っていましたが・・・
 ”福豆”のくくりで、煎った大豆のみの販売でした。
 調べてみても、全国で甘い福豆はあまり出くわしません。東京だけなのか?Yマートだけなのか?それとも今までの甘い福豆は、自分の中の幻想なのか?
 楽天等で検索を掛けましたが、甘い豆の”福豆”は引っかかりませんでした。
 20年間の認識が一挙に崩れ去りました。
 北海道や東北では、落花生を鬼打ち豆として、使うらしいですが・・・
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 とカルチャーショックに浸りながら、1月最終週では予約活動に力を入れながらの販売。
 ふたを開けてみると、恵方巻が30件60本の予約を取ることが出来ました。

 当日はSスターの副店長さんに、当日のコース以外の予約分を、配達していただき(本当にありがとうございました!)うなぎの日を上回る自己ベストの売上をマークすることが出来ました!(勿論、日販平均もレコードとなりました)

 喜びに浸りながら自宅に帰り、ふと玄関に入った階段に・・・
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 お手製の鬼ぐいが目に入り、びっくり。
 賃貸なので、玄関の外には出来ませんでしたが、形なりに豆まきも終えました(蒔いた豆は、わんこが一生懸命に食べてました)
 これで”鬼”が家の中まで侵入することもないでしょう。
 自分でも予約した”恵方巻”に舌鼓を打ちながら、新しい季節へと福を向かい入れました。つづく・・・


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