大正から昭和にかけての大阪を舞台に、北新地の人気芸者で陽気なしっかり者の蝶子と、安化粧問屋の若旦那で優柔不断な妻子持ちの柳吉が駆け落ちし、次々と商売を試みては失敗し、喧嘩しながらも別れずに一緒に生きてゆく内縁夫婦の転変の物語。
この夫婦物語の中で、法善寺境内の”夫婦善哉”で、ぜんざいを食べる場面が ラストシーンで効果的に使われる。
「一杯山盛にするより、ちょっとずつ二杯にする方がぎょうさん入ってるように見えるやろ、そこをうまいこと考えよったのや」
「一人より女夫(夫婦)のほうが良えいうことでっしゃろ」
二つで一人前。夫婦も二人で一人前。
貧しいながらしっとりとした 下町の人情味ある夫婦仲を象徴するものとして、一躍ブームとなった。
昭和30年には、豊田四郎監督により映画化。出演、森繁久弥、淡島千景ほか。第6回ブルーリボン賞監督賞を受賞した。
この”夫婦善哉”という店、実は実在している。
明治16年、法善寺境内の藤の棚の下で、浄瑠璃語りの竹本琴太夫が副業としてはじめたとされる。
現在は”和食のさと”の”サトレストランシステムズ”が運営しているが、その味や風土は今も守られている。
丹波大納言小豆をじっくりと8時間かけて煮込んだぜんざいは、じっくりと甘みが染み込み、上品なコクがあり、小豆の粒もつやつやと光り、のど越しが良い。
倦怠期を迎えたご夫婦の皆様。初心に帰りたければ、是非”夫婦善哉"をお勧めする。
前回”vol.128 春よ来い”で、春の足音が聞こえるブログをアップしましたが、ようやく暖かくなった日に書き、その翌朝見直してアップしました。
そして仕事に行くと・・・その日・・・(みいちゃんには申し訳ないけど・・・)
気温は急降下。冷たい強風が吹き荒れ、雨が横殴りで打ち付けました。
「まじか!」
体は震え手はかじかみ、鼻水が垂れてるかさえわからない状況。
買い揃えた”コーディネイト”は、たんす行き。に!しなければよかった!
お客さんにも、大変な思いをさせてしまいました。
「必要な物あったら、行ってもらえれば玄関まで持って行きますから」
と伝えましたが、中には濡れながら買い物してくれる方もいました。
挙句の果てに・・・
雪かよ!
初めて、途中で販売止めて、帰りたいと思う日でした・・・
その日の仕事を辛うじて終えて、即自宅に電話。
「あと2~30分で帰るんで、風呂を入れといて・・・」
家に帰ると温かい風呂が。
嫁のありがたみが、わかる瞬間でした!(?)
そんな事で、今回は”夫婦善哉”
いい夫婦の話です(強引)
以前にも”従業員”ブログで話しましたが、我が家は2000年1/1に結婚したので、今年で17年目の夫婦です。
そろそろ倦怠期?と思いきや、今まで仕事が忙しく、余り家に居ませんでしたので、今だ新婚気分です。(と言う事にしておきましょう)
案外仲が良いです。
お客さんの中でも”いい夫婦”がたくさんいます。
大先輩達。我が家の倍や三倍の夫婦歴です。
時には見習うべき日があり、時にはあてつけられる日もあります。
個人情報の絡みもあり、あまり多くは語れないところもありますが、僭越ながら、今回は差しさわりない程度に、ご紹介いたします。
販売中の忙しいさなかで、記憶の中での事。少し話が膨らんでいるかもしれませんが・・・
(画像が無いのも寂しいので、良い風景もお楽しみください)
「あんた何か食べたい物、無いか?」
お父さんは、笑顔で軽く首を振り、さささっと自分の仕事に戻ります。
「ま~たく、おじさんな~にも言わんからの~」
と、お父さんの事を、”おじさん”と呼ぶおかぁさん。大阪のベテラン夫婦漫才のようで、いつも楽しませてもらってます。
そんなある日・・・
「おじさんな、あぁ見えてよう食べるんじゃが、ここんとこと~んと食べんでなぁ」
と心配げ。
確かに元気なおじぃちゃんやおばぁちゃんは、食いしん坊が多いです。
食はやはり元気の源です。
「じゃけん、うまい肉でも食わしたろう思うちょるんやけど、あるけ」
いつも(おじさん、おじさん)言ってますが、おかぁさんがお父さんの体を気遣っているのが、ひしひしと感じます。
また別のお家。
「お父さん、何か食べたいものは無いかね」
ちょこ~と見に来て、何も言わずにそろ~と、倉庫へ。
どこのお家も、お父さんがいるとこのパターンから始まる事が多いです。
「また行ってしもうた。たこ焼きでも食べるかね」
と少し離れた、お父さんの元へ。
おかぁさん一人の時には、だいたい決まっていて、そろそろとお買い物が終わるのですが・・・
「お父さん、飴は何にするかね。塩あめかね、甘酒あめかね」
とまた少し離れた、お父さんの元へ。
お父さんも少し覗いては、何も言わずまた倉庫へ。
「あはは、お父さんはもう」
申し訳ありませんが、自分も少しイライラ・・・
「お父さん、黒豆せんべいは食べるかね」
おかぁさん。お父さんの好きな物は、おかぁさんが選んだものなんですよ。
「今日は娘たちが旅行で、おらんからの~、余り買い物無いんよ」
今回の”夫婦善哉”を書こうと思った、おかぁさんの話。
大体こちらのお宅には、17時位に着きます。
その日のルートでは、一番山の高い所の農家さん。いつもは娘さんやら手伝いに来ている親戚の方やらがいて、わいわいがやがやしている日が多いです。
ただこの日は、珍しくひっそりとしています。
「今日は娘が、お弁当取ってくれててな、もう今日は何もせんでもええんです」
縁台にちょこっと座って、夕日を眺めながら、ほっとした顔をしてそう言います。
「そりゃ良かったですね。今日はもうゆっくりだ」
「もうお風呂も入って、お弁当食べるだけなんよ」
そう言えば、首にはタオルが掛けられて、風呂上りでさっぱりしています。
「あれお父さんは」
「お風呂入って、もう寝てるんよ」
「今日は久しぶりの水入らずですね」
「そうなんよ。60年ぶりのハネムーンなんよ」
その時だけ、時が止まったような、と~てもいい時間を感じました。
我が家はたった17年。
60-17=43・・・え~43年後・・・想像の域をはるかに超えてます。
決して仲いいだけでは無いのでしょうが、長年連れ添って、酸いも甘いも知り尽くした二人。
以前若い頃、CMで老夫婦が手をつないで歩く映像が、良いなぁと思った事があります(チャーミーグリーンだったかな?)
とくし丸をやっていると、こんな良い先輩たちに囲まれているので、新たに”夫婦”と言うものを考えさせられます。
我が家も、43年後もそんな夫婦でいられるかなぁ~。そう感じる今日この頃です。
これを読んだ嫁が、晩飯に美味しい一品を増やしてくれる事を、希望しながら・・・つづく・・・
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