vol.170 失踪

 失踪・・・行方がわからなくなること。また、姿をくらますこと。
 日本では毎年8万人程の失踪・行方不明者が出ている。
 事件や事故に巻き込まれた人も多いだろうが、中には自ら失踪を選んだ人も多いのだろう。
 「あ~もう何もかもゼロからやり直したい!」
 そんな事を考えた方も多いのではないだろうか?

 その一人に推理小説の女王”アガサ・クリスティ”がいる。

 1926年12月3日、愛車に乗り自宅を出たまま”行方不明”となった。
 明けて12月4日朝8時過ぎ、サリー州ギルフォードの郊外の小道の脇で、斜面を滑り落ちて草むらに突っ込んでいるアガサの車を発見した。
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 当時”アガサ・クリスティ”は作家として売り出し中であり、同年に発表した”アクロイド殺し”の売れ行きが非常に好調で人気作家の仲間入りをしようとしていた時期だった。
 そのこともあって、捜索には1,000人以上の警察官に、100人を超える民間人、挙句の果てに”シャーロック・ホームズ”シリーズを書いた”コナン・ドイル”などのミステリー作家まで担ぎだされた。
 当時浮気を噂されていた夫が疑われ、スキャンダル・ゴシップの格好の的となり、マスコミが多いに騒いだ。
 しかし本人の足取りは、全くもって謎のままだった・・・
 事件が急展開したのは、11日後。
 12月14日、ヨークシャーのハロゲート・ハイドロパシック・ホテルにて、快適に寛いでいる”アガサ”が発見された。
 警察は、発見された”アガサ”に事情を問いただしたが、彼女はこの11日間の記憶が無いとの一点張り。
 晩年自伝の中でも、その時の事には触れず、その後も一切その11日間の失踪について、語る事は無かった。
 これが推理小説の歴史に名を残す大事件、すなわち”Agatha Eleven Missing”(アガサ・クリスティ11日間の失踪)である。

 本当に記憶喪失であったのか?
 浮気をする夫に嫌気がさし、報復として失踪したのか?
 その真相の解明は”名探偵ポワロ”では分からない・・・
 女心の分かる”ミス・マープル”に登場願うしかない・・・



 僕の名前は小次郎!
 ”小春日和本舗”て言う、小さな会社の”広報部長”をしているんだ!

 社長のspaickさんが、忙しいのとちょっと風邪気味だって言うんで、また僕がブログをアップするよ!
 だってこのままじゃ、ブログのランキングも落ちる一方だし、それどころかブログ閉鎖の危機だよ!
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 こんな時には、動物ネタが一番さ!
 僕の出番と言うわけだね!

 この間、僕の大好きな”ハタダ”の”みかん大福”を買いに行った時・・・
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 多分おばぁちゃんが乗っていたんだろうけど・・・
 ”ハタダ”の前のバス停の前に、お年寄りが乗る”サンピア”が乗り捨てられてたんだ!
 ”ハタダ”にはそれらしいお客さんもいないし、通り沿いにも人影はないんだ!

 何とミステリー!

 バスに乗って行ってしまったか?
 ”サンピア”の上に取り残された”ラスカル”君が、寂し気に待ってるんだ!
 どこに行ってしまったの?
 忽然と姿を消してしまったおばぁちゃん。

 これは”失踪”事件だ!
 僕がこの事件を解決しなくちゃ!

 と解決編の前に・・・

 最近、お客さんの家で、新しく”わんこ”や”にゃんこ”を飼うお宅が増えたんだ。

 家に前の門に、ネットが張られているんで、何だろう?っと思ったら・・・
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 小さい”わんこ”を飼ったから、お兄さんが逃げないように、張ったらしいんだ。
 ここの新しい”わんこ”も、とっても愛嬌があって可愛いんだよ!
 だけどそのおかげで、90に近いおかぁさんが、とくし丸にお買い物に来るのに、一苦労。
 それでも、うまく乗り越えて来てくれているんだ!
 すごいね!

 spaickさんも、ここぞとばかりに”ペットフード”を勧めてるんだよ。

 また違うお家では、小っちゃな”にゃんこ”を飼ったらしいんだ。
 ”にゃんこ”の缶詰もたくさん買ってくれたよ!

 「ところで、どんな猫ちゃんなんですか?」
 まだ小さくてお目にかかれないんで、聞いてみたんだ。
 「”きなこ”って名前なんよ」
 可愛い名前を付けたなぁ~
 一緒に買い物しているお客さんも「可愛いい」ってみんな言ってるからなぁ~
 「種類は何なんですか?三毛ですか?」
 「ドラ猫みたいに可愛いやつでな」
 「ドラ猫ですか?・・・」

 おかぁさん・・・ドラ猫って、こんなんですよ・・・
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 思い出す度、笑っちゃうよ。

 次のお家も”にゃんこ”なんだけど、ペットではないんだ。

 お家の納屋に、野良猫のちびっ子”にゃんこ”が、生まれてたんだ!
 「にゃ~にゃ~」聞こえたから、おかぁさんが覗いてみたら・・・
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 しかも2匹!

 母猫の姿は無くて、ちびっ子たちが「お腹すいたよ~お腹すいたよ~」って泣いてるんだ・・・

 母猫はどこ行ったんだ!
 よ~し!
 母猫”失踪”事件を、僕が解決してやる!

 それから一週間くらいは、このお家のおかぁさんが、ミルクとかをあげてたみたいだけど・・・
 結局見つからなくて、おかぁさんがもらってくれる家を探して、貰われて行ったんだ。

 そしてもう一つ、事件が起こったんだ!

 このブログでも、何度か登場している”ココちゃん”が”失踪”したんだ!

 ”とくし丸”で”ココちゃん”の家に行くと、おかぁさんが涙目で・・・
 「私の犬がいなくなっちゃたのよ・・・」
 おかぁさんは、小柄な体格なんだけど、まして小さく見えたよ。
 「いついなくなったんですか?」
 「さっき畑から帰ってきたら、おらんなってた・・・」
 おかぁさんと”ココちゃん”はとっても仲が良くて、切っても切り離せない仲なんだ!
 販売どころではなく、状況を聞いて
 「僕もここら辺を”とくし丸”で、探してみますね!おかぁさんも気をしっかり持ってくださいよ!」
 販売どころではなくて”とくし丸”で走り出すと、おかぁさんが遠くで”ココちゃん”!と呼んでいる声が聞こえたんだよ・・・

 販売で家に行くと、大体家から走ってきて、spaickさんにまとわりついてくるんだけど、時には通りを隔てた公民館に行ってたり、ちょっとした広場でウロチョロしてたりするんだ。
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 しかも”ココちゃん”の家の周りには、田んぼや水路がたくさんあって、危険がいっぱいだ。
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 spaickさんも、とくし丸で2~30分周りを探したけど、その時は見つからなかったんだ。

 週に2回も伺っていると、下手な親戚よりも顔を合わせているので、まるで自分の家の”わんこ”がいなくなってしまったかのように、ショックを受けていたんだ。
 (自分の家の”わんこ”は、君だよ!)

 それから次に伺う3日間は、気が重い感じ・・・力が湧かない・・・考えるのは”ココちゃん”の事ばかり・・・
 ”十兵衛”会長の時を、思い出していたんだ・・・

 おかぁさんにとっても、ただのペットではない、家族以上なパートナー。
 「”ここちゃん”の、パン買ってあげなきゃ」
 いつも自分の買い物よりも、先に”ココちゃん”のからお買い物・・・
 切っても切り離せない、仲なんだ。

 神様!
 頼みますから、見つかっててください!

 「こんにちは~ あ!」
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 「いた!」
 いつも通り・・・いや、いつもよりは少しバツ悪そうに、家の前に黒いのがいたんだよ!

 なんでも、隣の家の人が、隣の家の車の下で涼んでいる”ココちゃん”を見つけて、そのままにしていられず、お出かけに連れて行ったそうなんだ。
 その後、すぐ連れて来たらしいよ。

 本当に良かった!

 この間の泣きべそ掻きながらの、おかぁさんとは打って変わって、いつも通り買い物してくれたんだ。
 勿論!”ココちゃん”のパンも、真っ先に買ってたよ!

 これですべて事件は解決だ!

 あ!
 ”ラスカル”君のおかぁさんは?

 これだけは、未解決”失踪”事件だね!

 「それ以外も、お前が解決したわけじゃないだろ!勝手にブログをあげるな!」
 「やべ~また見つかった・・・逃げろ~!」
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 わんわん!(だんだん!)

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