vol.192 半世紀

 半世紀・・・1世紀(100年)の半分。50年。

 今から遡る事、半世紀。
 1968年・・・

 一口に半世紀(50年)と言っても、時の流れは激しく、移り変わりは大きい。
 ただ我武者羅で、モノクロからセピア・・・そしてカラーへと近づいてきている年。

 車台数は少ないまでも、歩道や信号の整備が追い付かず”交通戦争”の真っただ中。
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 年間の交通事故”死者数”が、およそ12,000人 ⇒ 2017年 3609人(12/25時点過去最少)
 日清戦争での日本側の死者数を上回り”戦争”と呼ばれた。

 学生運動が過激になり、翌年の”東大安田講堂事件”に繋がる”東大闘争”が激化していた。
 医学部処分問題や大学運営の民主化などが、原因だった。
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 戦後に生まれた第一次ベビーブーム期の世代である”団塊の世代”(作家 堺屋太一の小説の題名から広がる)が働き盛りへと成長する。
 いわゆる”戦争を知らない子供たち”は、高度成長期の日本の中で、実生活の”戦争”に巻き込まれていた。

 当時、被害総額が最高の劇場型現金強奪事件である”3億円事件”が起こる。
 数人の有力容疑者はいたものの、1975年(昭和50年)大胆かつ念密な史上最大の強盗劇は、時効を迎えた。
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 また四大公害病である”イタイイタイ病”の訴訟で、日本の公害病第1号に認定され、時代の歪みがクローズアップされた。

 混沌とした時代から発展へと転じてくる狭間の時代・・・1968年。

 当時の大卒サラリーマンの初任給は30,290円 ⇒ 現在 203,400円
 国鉄普通運賃 新橋・大阪間 1,730円 ⇒ 現在 JR普通運賃 7,410円(IC使用で7,404円)
 郵便料金  封書 15円 はがき 7円 ⇒ 現在 封書 82円 はがき 62円
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 この年”郵便番号制度”が始まった。
 当時の郵便番号 3桁(5桁) ⇒ 現在(1998年以降) 7桁

 また、現在でもメジャーに売られているナショナル商品が、この年発売されている。
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 ・大塚食品ボンカレー 80円 ⇒ 180円(希望小売価格)
 ・サンヨー食品 サッポロ一番みそラーメン 30円 ⇒ 105円(希望小売価格)*1966年しょうゆラーメン発売
 ・明治製菓 カール 70円 ⇒ 115円(希望小売価格)*vol.144 明治カール 参照
 ・サンスター トニックシャンプー 150円 ⇒ 450円(希望小売価格)
 ・日本専売公社 エコー 40円 ⇒ 日本たばこ産業(JT) 310円

 歌謡界のヒット曲は、
 ・ブルー・ライト・ヨコハマ(いしだあゆみ)
 ・三百六十五歩のマーチ(水前寺清子)
 ・花の首飾り(タイガース)
 ちなみに、1968年第10回レコード大賞は”天使の誘惑”(黛ジュン)
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 漫画雑誌でも成長期を迎える。
 ”少年マガジン”で”あしたのジョー”が連載開始。
 ”ぼくら”にて”タイガーマスク”が連載開始。
 また”少年ジャンプ”が月2回で創刊された(翌年週刊となる)
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 そしてこの年、ソニーにより”トリニトロンカラーテレビ”の1号機 KV-1310 が発売(118,000円)
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 それまでのカラーテレビの常識を覆す程の画質を誇示し、各家庭にテレビが普及した。
 その中で、大ヒットとなるテレビ番組が登場する。

 ”3時のあなた”(1981年3月までは”奥様スタジオ 3時のあなた”)
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 初代総合司会に”高峰三枝子”(月・火)”木元教子”(水・木・金) アシスタントに”野間脩平”(月・火)”真家宏満”(水・木・金)
 家事を一休みする15時台の主婦をターゲットにした、本格的ワイドショーとなり、1970年代になると”前田忠明” ”東海林のり子” ”福岡翼”らの、個性の強いレポーター陣を排出する。
 高峰の司会起用は、現フジテレビ会長の”日枝 久”が土下座をして、勝ち取ったとされる。
 以降”森光子” ”寺島純子”と、大物女優司会の路線を守りつつ、20年間続いた。

 ”男はつらいよ”
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 48作続いた国民的映画だが、実は最初はテレビドラマで、全26話(映像は1話と最終回しか現存していない)
 最終回は、寅次郎がハブ酒で一儲けを企み”奄美大島”に渡るが、そこでハブに噛まれて死んでしまう話。
 このラストに、視聴者からの抗議の電話が殺到し、映画へと繋がっていく。
 ちなみにドラマ版では、舞台は”柴又帝釈天”ではなかった。

 ”キーハンター”
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 全262話放送され、最盛期の視聴率は30%を超える、”Gメン'75”の布石となる本格ハードボイルド。
 海外でも放送され”千葉真一”のアクションは”ブルースリー”や”ジャッキーチェン”に深く影響を与えた(”ブルースリー”より共演のオファーがあったが、突然の死去により実現しなかった)
 このドラマを通じ”千葉真一”と”野際陽子”は結婚する(1994年離婚)

 ”巨人の星”
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 ”梶原一騎”原作の漫画をアニメ化。全182話。
 プロデューサーの”佐野寿七”は、高校球児ではあったが巨人ファンではなく、原作の”梶原”も距離を置くために巨人ファンではなかった。
 実にアンチ巨人ファンで作られた”巨人の星”であった。
 また当時のアニメ作画担当のほとんどが、野球経験が無い者であったため、リテイク(作り直し)が頻発。よく見ると、ルールや野球の守備の動きが不自然な箇所が多い。
 アニメの最終回では、完全試合を達成した”星飛雄馬”は、マウンドで力尽き死亡する案で進んでいたが、読売テレビの最高責任者やスポンサー(大塚製薬)の強硬な反対で生き残り”新・巨人の星” ”巨人の星Ⅱ”に繋がった。
 ちなみに、有名な”星一徹”のちゃぶ台返しは、2回のみ(原作では1回)
 意外とやってはいない。
 
 洋画では”猿の惑星”が日本公開。
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 その”ラスト”(ネタばれは致しません)と”特殊メイク技術”に驚愕し大ヒットとなる。
 現在の技術と比べると、見劣りするかもしれないが、半世紀前では画期的なものであった。
 特殊メイク担当は”ジョン・チェンバース”
 医療従事者として第二次世界大戦に従事し、戦後は退役軍人病院で、負傷した軍人の顔の修復や義足を作る仕事をし、それを応用したとされる。
 まだ”アカデミー賞”に”メイクアップ賞”というものがなく”アカデミー名誉賞”を受賞した。

 ”2001年宇宙の旅”
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 名匠”スタンリー・キューブリック”監督の、SF映画の金字塔的作品。
 監督は当時、映画公開前に”地球外知的生命”が発見された場合の損失を防ぐために、ロンドンの保険会社の”ロイズ・オブ・ロンドン”の保険に入ろうとしたが、ロイズは拒否したという。
 次述の”月面周回”の映像が公開されると、作品のクオリティが改めて認められ、反響を生んだ。
 ただし”スタンリー・キューブリック”は、1999年死去しているので、実際に”2001年”を体感する事は出来なかった。
 
 そしてこの年、アメリカの”アポロ8号”が、史上初の”月面有人周回飛行”に成功し、初めて月面の様子をテレビ中継した。
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 翌年1969年には”アポロ11号”が人類初の月面着陸に成功し”偉大な一歩”を踏み出すことになる。

 1968年・・・
 半世紀前は、ある意味節目の年でもある・・・



 お久しぶりです!(よくも抜け抜けと!)

 前説に時間を取られすぎた!(時代考証が、大変で大変で・・・)
 ただし”シリーズ遅ればせながら・・・”と言えば、何でも許されそうだから・・・

 実は1月3日が誕生日!

 なんと!50歳になりました!

 ”半世紀”生きてきた訳です!

 今までの”半世紀”
 色々とありましたが、大きな病気や怪我もなく、まっとうに?生きて来れた事に、感謝、感謝!
 どちらかと言うと、やりたいように、思う存分やってこれたと思います。

 これからの”半世紀”も、さらに刺激的な事が待っていそうな予感!(”1世紀”まで生きるつもり!)
 ワクワクします!

 昨年同様”ハタダ”で、ケーキを買って来て(vol.107 参照)ささやかにお祝いをして・・・
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 ”由布院ワイナリー”(vol.179 参照)で買った、ワインの残りで”乾杯”しました。
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 これからもよろしくお願いします!

 だんだん!
 *今回は前説がメインになってしまった・・・

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