vol.274 渡辺綱

 渡辺綱・・・平安時代中期の実在する武将。

 摂津源氏の”源頼光”に仕え ”頼光四天王”(他に”卜部季武 ””碓井貞光””坂田金時” の四人)の筆頭として剛勇で知られた。また先祖の”源融”は「源氏物語」の主人公の”光源氏”の実在モデルとされたが ”渡辺綱”も美男子として有名である。
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 この”渡辺綱”は、多くの説話や逸話を残しているが・・・

 中でも・・・

 「平家物語」剣之巻の”鬼女退治伝説”(京の”一条戻橋”の美女の姿に化けた鬼に遭遇し、その片腕を切り落とした)
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 大江山での”酒呑童子退治伝説”(”源頼光””藤原保昌”と”頼光四天王”と共に、大江山へと向かい”酒呑童子”とその眷属を退治した)
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 後年ではこの二つの伝説が関連づけられ能「羅生門」などの作品が誕生した。


 あくまでも”渡辺綱”は、実在する人物。

 頼光より預けられた”髭切刀”は、説話の中で”鬼”を切った事で ”鬼切刀”と名を変え・・・

 鎌倉幕府成立後、将軍家の宝刀となり、幕府の有力御家人”安達泰盛”~第9代執権”北条貞時”~幕府を倒した武将”新田義貞”~それを討った南北朝時代の武将”斯波高経”が手にする等・・・

 時の権力の象徴とされてきた。

 その後、明治に入ると”質入れ”で流れるなど、世に出回ったが・・・

 最近になり・・・

 ”鬼切刀”が流出しないようにと言う事で、最上氏が”北野天満宮”に奉納し・・・
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 ”鬼切安綱”の名で、その”妖刀” 本物の”鬼滅の刃”を目にする事が出来る。



 年末に引き続き、毎年1月は”恵方巻”の予約で、忙しくなります(vol.235 節分 参照)
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 まさに”矢継ぎ早”!(この後には”確定申告”が、待っている・・・)

 予約は、お客様との大切な約束!

 特に時候の予約は、その時だけの重要な商品だけに、間違いは許されません!

 念入りにチェックをして、お客様にも入念に確認をして・・・

 ふぅ~気を使う・・・


 今年の”節分”は”2月2日”!

 ”節分”は”2月3日”の頭があるので、かなりな違和感があります!

 「あんた、このチラシ”節分”の日が間違っとるよ」

 「みんな間違っとるんよ。”節分”は”2月3日”じゃのに、テレビでもみんな間違っとるわい」

 そんな声が時々、上がりました。

 説明と話のネタに、少し調べてみると・・・


 ”節分”とは・・・

 その名の通り、季節の分かれ目。

 "立春”の日の前日が”節分”なので ”立春”がずれると”節分”もずれるわけです。

 ではなぜ ”立春”がずれるかというと・・・

 1年間を”二十四節気”に当てはめて定期的な運用をしようとすると、1年に少しずつ誤差が出てきて、ずれが生じるわけです。

 その調整をするために・・・

 ”閏 二十四節気”を行い・・・

 2021年は2月3日が”立春”にあたり、当然”節分”も”2月2日”となります。

 実に1897年以来、124年振り!(1984年は、2月4日が”節分”でした)

 まぁ~難しい事は、世間様に任して!

 一生に一度有るか無いかの、貴重な”2月2日”の”節分”!

 美味しい”恵方巻”を食べましょう!


 と言うことで!

 チラシをを全員に配り、あと1週間を残して、続々と予約が集まりだしました!

 年末の、オードブルや刺身や握り寿司が大好評だったので、今回も!

 と思いきや・・・

 自分の廻る地域の差なのか?

 「量が多いから、うちではいいわ」

 「うちでは余り、ようやらんわい」

 「自分の家で作るから、今回は大丈夫よ」(その代わり、海苔やカニカマ、かんぴょう等の具材を頼まれています)

 と言うお宅が多いです。

 別に強制しているわけでもなく、自分で買いに行くよりも、と言う方達だけで良いのですが・・・

 「あまり無理に頼まないでくださいよ。必要ならばでいいんですから」

 と、言ってはいるんですけど・・・

 やはり、これを稼業にしているので・・・

 予約を募るのならば、多いに越したことはありません。


 さて今回の話は、とあるお宅での話です。

 ここのお宅は、以前は”おかぁさん”が買い物をしてくれたのですが、体を壊して、その息子さんが買い物してくれています。

 息子さんと言っても、60代くらいの方ですが、数少ない男性のお客様のうちの一人です。

 こちらのお家には、わんこ(大きいのから小さいのまで)はもちろんの事・・・
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 懐かしの、ガチョウの”ガーコ”や(十人十色 参照)最近では ”すっぽん”の”ポン吉”がいたり・・・
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 ”つばめ”の時にも、お世話になったお宅です(vol.169 つばめ 参照)

 夕方遅くに伺うので・・・

 「狸がウロチョロしとったで」

 「コロナが今日は○○人も出たで」

 「”緊急事態宣言”が出たで」

 とか、その日の色々な情報をくれるお宅でもあります。

 ”年末”はオードブルの予約を入れてくれたので ”恵方巻”も予約を頂けるかな?

 と、思っていたのですが・・・
 
 「うちは”節分”はやらなくて、いいんだわ」

 「・・・えっ?・・・」

 「ほかの家は、イワシの頭飾ったり、豆まいたりするけどな」

 こちら”愛媛県”では、鬼除けで鰯を軒に飾ったりします(vol.116 恵方巻 参照)

 「うちは”渡辺”だからな、節分はしなくてもいいんだよ」

 色々と”お断り”の理由を聞いてきましたが、この理由は初めてです。

 「それって ”渡辺綱”ですか?」

 「そうそう、昔”鬼退治”してるから、漢字が違っても”渡辺”姓のところは、鬼も寄りつかんで」

 なぁるほど!

 そう言えば・・・

 ”渡辺”さんは、自分のルートに他3軒ありますが、それでかどうかはわかりませんが、ほかの予約はたくさんしてくれますが ”恵方巻”に関しては、未だかつて無かったような気がします。

 ・・・・・!

 「あ、ちょっと待ってください」

 感心しながら、ある事に気づきました。

 「いや ”恵方巻”は、鬼を寄せ付けないための物では無くて、一年”無病息災”のための物ですよ」

 「あぁ~そうけ、そうけ」

 と言いながら、手を振って笑いながら帰っていきました。

 豪快というか?清々しいというか?

 個々の”渡辺さん”の、お宅訪問は、いつも楽しませていただいてます。


 ちなみに後日・・・

 他の”渡辺”さんに聞いてみました。

 「あの~”恵方巻”は大丈夫ですか?」

 「あ~うちは、大丈夫だから」

 80歳位の女性のお客様。

 こちらも、年末はオードブルやお寿司やお節や、沢山の予約を頂いた”渡辺”さんです。

 普段は、何度も催促みたいな事はしないのですが・・・

 「実は、他の”渡辺”さんで、昔”鬼退治”してるから、大丈夫という方がいらっしゃったんで、こちらもそうかなぁ~と思って」

 「”渡辺綱”じゃろ」

 「そうなんですよ」

 「それでも、うちでは”鰯”を飾ったりとかはするけど、やっぱり豆はまかんなぁ」

 「やっぱりそうなんですか」

 「”恵方巻”はね、うちの娘がコンビニで働いてるから、そっちで予約されてるんよ」

 「はははっ、いやいや、他の”渡辺”さんは、どうなのかと思っただけですから、大丈夫ですよ」

 ご家庭によってみたいです。

 ちなみに・・・

 ”渡辺”さんの他に ”坂田”さんも”豆まき”不要らしいです。

 ”頼光四天王”(元祖 鬼滅隊!)の内の一人”坂田金時”から来てるそうですが・・・(”藤原”さんも同じく)

 幼少は”金太郎”!

 あの”まさかり”担いだ金太郎の”幼童伝説”を持っている人物で、実在したかは不明です(”藤原道長”に仕えていた”下毛野公時”がモデルとされる説がある)

 ちなみのちなみで・・・
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 少年ジャンプの「銀魂」の主人公”坂田銀時”の元ネタです。


 さて、次回は!

 ”節分”特別企画!

 ”鬼滅の刃”!です!
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 次回予告は・・・

 なんか”嫌な予感”がしますが・・・


 だんだん!

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